カットマンの攻撃のコツ|フォア・バックの打ち方と切り替え【卓球】

カットマンは守るだけの戦型ではありません。今のトップのカットマンは、カットで相手を崩し、チャンスが来ればフォアでもバックでも迷わず攻撃して点を取ります。攻撃ができるかどうかで、カットマンの強さは大きく変わります。この記事では、カットマンに攻撃が必要な理由、攻撃するタイミング、フォアハンド攻撃とバックハンド攻撃のコツ、攻撃からカットへの戻り方まで解説します。

この記事でわかること

  • カットマンに攻撃が必要な理由
  • 攻撃するタイミングと狙いどころ
  • フォアハンド攻撃とバックハンド攻撃のコツ
  • 攻撃からカットに戻るときのコツ
目次

カットマンに攻撃が必要な理由

「ミスター・カットマン」と呼ばれた高島規郎は、カットマンが点を取る方法を3つに整理しています(『卓球戦術ノート ラストページ』)。

  1. サービス・レシーブ・台上で、早い段階から攻撃して得点する
  2. カットから攻撃に移って得点する
  3. カットの変化で、相手のミスを誘って得点する

3つのうち2つが攻撃です。高島規郎は、現代の卓球で勝てるカット型は「カット主戦型」ではなく、攻撃を第一に考えるべきだとしています。中国でも、カットマンが勝つための要素は「転・稳・低・攻・変」(回転・安定・低さ・攻撃・変化)と言われ、「攻」が欠かせない要素に入っています。

世界トップレベルの女子カットマンの試合の分析では、攻撃を使う割合は最大でも16%でしたが、上位の選手は攻撃での失点率が25%未満でした(野中ほか、2017年)。攻撃の回数は多くなくても、使うときに確実に決めることが、上位の選手の特徴です。

攻撃するタイミング

3球目・4球目攻撃

サービスを持ったら3球目攻撃、レシーブでは甘いサービスを攻撃で返し、カットで返したときも4球目で攻撃を狙います。サービスについてはカットマンのサーブのコツでまとめています。

ラリーの中での狙いどころ

  • 相手のツッツキ:卓球レポートの連載「作戦あれこれ」は、相手のツッツキをドライブで、ストップを強打で攻めるのが、カットマンの最もオーソドックスな攻撃だとしています
  • 相手の1本目のストップ:相手が打てずにストップしてきたら、その1本目を狙って打つ。特に、ナックルカットに対するストップは見逃さない(高島規郎)
  • 甘いつなぎのドライブ:切れたカットを相手が甘いドライブでつないできたら、迷わずカウンターで打ち抜く(高島規郎)

フォアハンド攻撃

カットマンのフォアハンド攻撃の種類

世界トップレベルの女子カットマンの試合の分析では、攻撃は次の5つの型に分けられ、そのうち3つがフォアハンドでした(野中ほか、2017年)。

  • フォアのカウンタードライブ
  • フォアのスピードドライブ
  • フォアのスマッシュ
  • バックのスマッシュ
  • バックのスピードドライブ

攻撃の前の技術は、カット・ツッツキ・サービスの3つでした。カットやツッツキで崩してから、フォアで仕留める形が多いということです。

一撃で決めるフォアハンドドライブ

韓国の朱世赫の最大の武器は、フォアハンドドライブでした。相手が切れたカットに対してツッツキをしてきたときや、高いループドライブを打ってきたときには、長い腕をしならせた一撃必殺のフォアハンドドライブで仕留めます。バックへのツッツキに対しても、長い足を生かして回り込み、フォアで打ち抜きます。

村松雄斗も、フォアハンドドライブが強烈で、3球目攻撃やカウンタードライブはフォアハンドで応戦します。中国の丁松(Ding Song)は、フォアのサービスからの3球目攻撃とパワードライブで、「守りと粘り」だったカットマンのイメージを変えました。

ツッツキ打ちは最後の一歩で距離を合わせる

相手のツッツキを攻撃するとき、ボールとの距離感や歩幅が合わないと、ミスが増えます。御内健太郎は、最後は右足でしっかりボールとの距離を合わせることを意識している、と話しています。

読まれにくい攻撃と連続攻撃

カットマンの反撃は、相手も予想しています。佐藤瞳を取り上げた時事通信の記事は、今のカットマンには、コースやタイミングが読まれにくい打ち方、相手のブロックを計算した連続攻撃、相手の体勢の崩し方といった、反撃の高度化が求められていると書いています。1本で決まらなくても、2本目、3本目と続けて攻める力が必要です。

バックハンド攻撃

反転して裏ソフトで打つ

バックに表ソフトや粒高を貼っているカットマンは、ラケットを反転させ、裏ソフトの面でバックハンド攻撃をすることがあります。反転についてはラケットの反転で詳しくまとめています。

バックハンド攻撃の打ち方(応用編|橋本帆乃香)

橋本帆乃香は、自身のバックハンド攻撃のコツを次のように解説しています。

  • カットの後、右足でしっかり踏み込む
  • 手首を折らない:手の甲からラケットの面までを一体と考えて、ボールに当てにいく
  • 頂点を狙い、インパクトは短く:ボールの頂点を狙い、オーバーミスを防ぐためにボールとラケットが触れる時間を短くする
  • フットワークは、バックカットからバックツッツキへの動きと同じ:そこに1歩大きく踏み込むイメージ
  • 相手がツッツキの構えをした瞬間を狙う:直前で止まって打つのではなく、流れの中で最後の一歩に力を入れて打つ

フォア側のチャンスをバックで打つ

フォア側に浮いてきたチャンスボールを、フォアではなく回り込んでバックハンドで打つ方法もあります。前に駆け戻ってフォアで打とうとすると、台が邪魔になって窮屈になりやすいからです。バックハンドなら台が邪魔にならず、大きく踏み込めて、相手もコースを読みにくくなります。

カットからの攻撃は絶対にミスしない

高島規郎は、カットから攻撃に移ったときは絶対にミスをしてはいけない、と強調しています(『卓球戦術ノート ラストページ』)。カットで粘ってチャンスを作ったのに、最後の1本を外すと、心理的なダメージが大きく、相手を助けることにもなります。逆に、攻撃に移ったときのボールが確実に決まれば、カットマンは勝ちやすくなります。

攻撃からカットに戻る

攻撃の後はすぐ力を抜く

攻撃した直後に力が入ったままだと、その後のカットが安定しません。御内健太郎は、攻撃の後はすぐ力を抜き、いつものリラックスした状態でカットに戻ることが大切だと話しています。

戻った1本目のカットに変化を込める

攻撃の後にカットに戻ると、相手は「攻撃をしのいで、カットに追い込んだ」と考え、強く打ち込みたくなります。高島規郎は、その1本目のカットを抜群に切るか、切れているように見せてナックルにするなど、攻撃に匹敵する威力や変化を持たせて相手のミスを誘うことが大事だとしています。

カットマンの攻撃の練習方法

  1. カットから攻撃への切り替え:カットを数本続けた後、甘いボールを送ってもらい、フォアとバックの両方で攻撃に切り替える
  2. ツッツキ打ち:相手のツッツキに対して、最後の一歩を右足で合わせてフォアドライブで攻める
  3. 連続攻撃:1本目の攻撃がブロックされた後も、2本目、3本目と続けて攻める
  4. 攻撃からカットへの戻り:攻撃した直後に力を抜き、次のドライブをカットで返す
  5. 質の高い練習:御内健太郎は、単調なパターン練習だけでなく、いろいろな位置から攻撃を仕掛け、相手のボールの回転や長さを見極めて打つ練習が、トップへの成長につながると話しています

まとめ

  • カットマンの得点の取り方は3つ(早い攻撃・カットからの攻撃・カットの変化)で、そのうち2つが攻撃
  • 攻撃の狙いどころは、3・4球目、相手のツッツキ、1本目のストップ、甘いつなぎのドライブ
  • フォアハンド攻撃は、カウンタードライブ・スピードドライブ・スマッシュ。ツッツキ打ちは最後の一歩で距離を合わせ、連続攻撃まで考える
  • バックハンド攻撃は、反転して裏ソフトで打つ。右足で踏み込み、手の甲からラケットまでを一体にして、短く当てる
  • カットからの攻撃は絶対にミスしない。攻撃の後はすぐ力を抜き、1本目のカットに変化を込める

守って、崩して、フォアでもバックでも攻める。攻撃は、今のカットマンに欠かせない武器です。

この記事を書いた人

チョッピー(Choppy)
カットマン歴15年以上。中学で卓球を始め、高校でカットマンに転向し、大学で練習を重ね、社会人の今もカットマンを続けています。

カットマンに関する情報は限定的で、指導者や知り合いから教えてもらうことがほとんど。暗黙知になりがちなカットマンの情報を共有知に変え、カットマン界を盛り上げたい。カットマン人口を増やしたい。そんな思いでこのサイトを作りました。

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参考・出典

※この記事の情報は2026年9月28日時点のものです。

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