攻撃型が主流の男子の卓球でも、カットマンは世界の舞台で結果を残してきました。2003年の世界選手権で銀メダルを獲得した韓国の朱世赫選手、日本初のプロ卓球選手となった松下浩二さん、6大会連続で五輪に出場したギリシャのギオニス選手などです。この記事では、当サイトで紹介している代表的な男子のカットマンを、フォアとバックのラバーの組み合わせ別に紹介します。
この記事でわかること
- 日本と世界の代表的な男子カットマン
- 各選手の国・地域、現在の立場(現役・コーチ・監督など)、ラバーの組み合わせ
- 男子のカットマンの傾向
男子のカットマン選手の早見表
| 選手 | 国・地域 | 現在の立場 | フォア×バック |
|---|---|---|---|
| 英田理志 | 日本 | 現役 | 裏×裏 |
| 村松雄斗 | 日本 | 現役 | 裏×表 |
| 白山遼 | 日本 | 現役 | 裏×表 |
| ワン・ヤン(汪洋) | スロバキア | 現役 | 裏×表 |
| 侯英超(Hou Yingchao) | 中国 | 現役 | 裏×表 |
| 李天陽(Li Tianyang) | 中国 | 現役 | 裏×表 |
| 丁松(Ding Song) | 中国 | 監督(上海交通大学) | 裏×表 |
| 厚谷武志 | 日本 | 現役 | 裏×粒高 |
| 平塚健友 | 日本 | 現役 | 裏×粒高 |
| 岡田蒼空 | 日本 | 現役 | 裏×粒高 |
| 松下浩二 | 日本 | レジェンド(VICTAS代表) | 裏×粒高 |
| 塩野真人 | 日本 | 指導者(卓球教室SHIONO) | 裏×粒高 |
| 御内健太郎 | 日本 | 元選手(現在の活動は未確認) | 裏×粒高 |
| 平屋広大 | 日本 | コーチ(シェークハンズクラブ) | 裏×粒高 |
| 木村飛翔 | 日本 | 現役 | 裏×粒高 |
| ルーウェン・フィルス | ドイツ | 現役 | 裏×粒高 |
| パナギオティス・ギオニス | ギリシャ | 現役 | 裏×粒高 |
| 陳衛星(Chen Weixing)(チェン・ウェイシン) | オーストリア | 現役 | 裏×粒高 |
| 姜東秀(カン・ドンス) | 韓国 | 現役 | 裏×粒高 |
| 朱世赫 | 韓国 | 監督(大韓航空女子卓球団) | 裏×粒高 |
| 馬特(Ma Te) | 中国 | 元中国代表(現在の活動は未確認) | 裏×粒高 |
| 梁戈亮(Liang Geliang) | 中国 | レジェンド(世界卓球殿堂) | 裏×粒高 |
| 吉田俊暢 | 日本 | 現役(選手兼コーチ) | ― |
| 渋谷浩 | 日本 | レジェンド・指導者(タマス) | ― |
| 高島規郎 | 日本 | レジェンド・指導者(髙島塾) | ― |
| 張燮林(Zhang Xielin) | 中国 | レジェンド(世界卓球殿堂) | ペンホルダー・片面粒高 |
※代表的な選手を紹介したもので、ほかにも多くの選手がいます。「―」は確認できていないものです。用具は各選手ページで確認できた時点のものです(2026年10月時点)。
裏ソフト×裏ソフト
フォア・バックとも裏ソフトを貼る、カットマンとしては珍しい組み合わせです。両ハンドで攻撃しやすいのが特徴です。
英田理志
フォアもバックも裏ソフトを貼る「裏裏カットマン」です。カットも両ハンドの攻撃も自在にこなし、2022年のTリーグ開幕戦では、当時世界5位のウーゴ・カルデラノ選手に勝ちました。
裏ソフト×表ソフト
フォアに裏ソフト、バックに表ソフトを貼る組み合わせです。表ソフトで回転を抑えたナックルカットを出し、切れたカットとの差で相手を惑わせます。
村松雄斗
181cmの長身と長い手足を生かした、攻守両面に強い選手です。世界ランキングは自己最高21位。怪我による低迷やドイツ・ブンデスリーガでの再起を経て、2026年からTリーグに復帰しました。
白山遼
駒澤大学で木村飛翔選手とともに「カットマンコンビ」として活躍し、現在は実業団のシチズン卓球部でプレーしています。2024年の全日本学生選手権では男子シングルスでベスト16に入りました。
ワン・ヤン(汪洋)
中国・安徽省出身で、スロバキア代表として活躍する、バックに表ソフトを貼る選手です。2016年リオ、2020年東京と五輪に出場し、2024年パリ五輪の出場権も獲得しました。
侯英超
中国出身で、世界ランキングは自己最高10位のベテランです。2019年には39歳で全中国選手権を19年ぶりに制し、同選手権の史上最年長優勝の記録を打ち立てました。
李天陽
フォア裏ソフト・バック表ソフトで、攻撃の比重が高い中国の若手です。2026年はWTTコンテンダー太原とWTTスターコンテンダー アスタナで2大会連続のベスト4に入りました。
丁松
1995年の世界選手権天津大会で中国男子の団体優勝を決定づけ、シングルスでも3位に入った選手です。切れるカットと切れないカットを出し分けながら、突然攻撃に転じる「削攻結合」のスタイルを完成させました。
裏ソフト×粒高
フォアに裏ソフト、バックに粒高を貼る、最も多い組み合わせです。粒高の変化で相手を崩します。
厚谷武志
日本卓球リーグの信号器材でプレーする、カットと攻撃をミックスした右シェーク裏粒の選手です。2025年に3年ぶりに現役へ復帰し、日本卓球リーグでスーパーゴールデンラケット賞を受賞しました。
平塚健友
身長176cmの長身から繰り出すカットと攻撃で注目される、石川・遊学館高校の選手です。2024年に全日本カデット14歳以下男子シングルスで優勝し、2026年9月のアジアユース選手権では日本人最高の3位に入りました。
岡田蒼空
JOCエリートアカデミーに所属し、2025年の全日本選手権(カデットの部)13歳以下男子シングルスで優勝しました。同じ年にはWTTユースコンテンダー アルマトイのU15男子シングルスでも優勝しています。
松下浩二
全日本選手権シングルスで4度優勝し、オリンピックに4大会連続で出場した、日本を代表するカットマンです。1993年に日本初のプロ卓球選手となり、引退後はVICTASの社長、Tリーグ初代チェアマンを務めました。名前を冠したカット用ラケット「松下浩二」シリーズは、今も多くのカットマンに使われています。
塩野真人
2013年のジャパンオープンで優勝し、2014年の世界卓球選手権(団体・東京)で銅メダルを獲得した元日本代表です。2017年に引退し、2025年11月に地元・埼玉県入間市で卓球教室を開きました。
御内健太郎
守備範囲の広いカットと攻撃を兼ね備え、実業団の名門・シチズン時計で長く活躍しました。2021年の全日本選手権では張本智和選手をあと1点まで追い詰め、2023年1月の全日本を最後に第一線を退きました。
平屋広大
全日本選手権シングルスベスト32の実績を持つ元トップカットマンで、現在は東京のシェークハンズクラブでコーチを務めています。看板技は、ジャイロ回転のカット「デスカット」です。
木村飛翔
バックに粒のラバーを貼る選手です。駒澤大学では白山遼選手とともに「カットマンコンビ」として活躍し、4年生の秋季関東学生リーグでは1部でシングルス6勝1敗を挙げ、優秀選手賞を受賞しました。
ルーウェン・フィルス
自己最高世界ランキング18位、ヨーロッパ選手権の男子団体で5度優勝したドイツの選手です。バックの粒高で守りながら、フォアのドライブで攻め続ける「超攻撃型」のスタイルで、2026年も38歳でブンデスリーガでプレーしています。
パナギオティス・ギオニス
2004年アテネ五輪から2024年パリ五輪まで、6大会連続でオリンピックに出場したギリシャのベテランです。バックハンドでカットし、フォアはカーブロングやドライブで攻めるスタイルです。
陳衛星(チェン・ウェイシン)
中国・内モンゴル出身で、オーストリア代表として活躍した選手です。フォアドライブとバックカットを組み合わせた攻撃的なスタイルで世界ランキング9位まで上がり、2004年から五輪に3大会連続で出場しました。
姜東秀(カン・ドンス)
攻撃型が主流の韓国男子では珍しいカットマンです。2024-25シーズンはTリーグの金沢ポートでプレーし、2026年にはWTTフィーダー プエルト・プリンセサで男子シングルス優勝を果たしました。
朱世赫
韓国が生んだ「世界最強のカットマン」です。2003年の世界選手権パリ大会では、世界ランキング61位から強豪を次々に破って銀メダルを獲得しました。現在は指導者として活動しています。
馬特
中国のナショナルチームで10年以上プレーした選手です。2012年の全中国ジュニア選手権では、のちに世界のトップに立つ樊振東(Fan Zhendong)選手を決勝で破って優勝しました。
梁戈亮
1976年に世界ランキング1位になった中国のカットマンです。フォアに裏ソフト、バックに粒高を貼ったラケットを反転させながら、カットと攻撃を切り替えるスタイルで、世界選手権で計6個の金メダルを獲得しました。
その他
フォアに表ソフトを貼る選手、片面だけにラバーを貼る選手、ラバーの組み合わせを確認できていない選手です。
吉田俊暢
日本卓球リーグの関西卓球アカデミーで選手兼コーチを務めています。2026年4月には男子カットマンとして初めてRallysのアンバサダーに就任し、動画教材でも技術を発信しています。
渋谷浩
1999年の全日本選手権で男子シングルスを制し、オリンピックに3大会連続で出場しました。松下浩二さんとのカットマンペアで、1997年の世界選手権の男子ダブルスで銅メダルを獲得しています。
高島規郎
全日本選手権の男子シングルスで3度優勝し、1975年の世界選手権で男子シングルス3位に入った「ミスター・カットマン」です。日本代表監督や近畿大学教授を務め、現在も指導者と選手の育成に取り組んでいます。
張燮林
世界で初めて粒高ラバーを使って活躍したとされる、中国のペンホルダーのカットマンです。1960年代に世界選手権で男子団体2連覇と男子ダブルス優勝を果たし、引退後は中国女子チームの監督も務めました。
男子のカットマンの傾向
カットだけでなく攻撃も武器にする
男子のカットマンは、相手のボールの威力が強いぶん、守るだけでは勝ちにくくなります。フィルス選手の「超攻撃型」や、丁松さんの「削攻結合」、英田理志選手の両ハンド攻撃のように、カットに攻撃を組み合わせて戦う選手が目立ちます。
裏ソフト×粒高が多い
ここで紹介した選手では、裏ソフト×粒高が最も多く、裏ソフト×表ソフトが続きます。裏ソフト×裏ソフトは英田理志選手など少数です。ほかに、片面だけにラバーを貼るペンホルダーの張燮林さんもいます。あくまで代表的な選手の傾向で、ほかにも多くの選手がいます。
男子のカットマンについてよくある質問
Q. 男子のカットマンの若手はいますか?
日本では、2026年9月のアジアユース選手権で3位に入った平塚健友選手や、2025年の全日本選手権(カデットの部)13歳以下で優勝した岡田蒼空選手がいます。中国では李天陽選手がWTTの大会で結果を出しています。
まとめ
- 日本では、松下浩二さん・渋谷浩さん・高島規郎さんが歴代の代表的な男子カットマン。現役では村松雄斗選手・英田理志選手など
- 海外では、朱世赫選手、梁戈亮さん、丁松さん、フィルス選手、ギオニス選手などが世界の舞台で活躍
- 男子のカットマンは、カットに攻撃を組み合わせて戦う選手が多い
- ラバーの組み合わせは、裏ソフト×粒高が最も多く、裏ソフト×表ソフトが続く
各選手の詳しい経歴・使用用具・戦術は、それぞれの選手ページで紹介しています。
この記事を書いた人
チョッピー(Choppy)
カットマン歴15年以上。中学で卓球を始め、高校でカットマンに転向し、大学で練習を重ね、社会人の今もカットマンを続けています。
カットマンに関する情報は限定的で、指導者や知り合いから教えてもらうことがほとんど。暗黙知になりがちなカットマンの情報を共有知に変え、カットマン界を盛り上げたい。カットマン人口を増やしたい。そんな思いでこのサイトを作りました。
参考・出典
各選手の情報の出典は、それぞれの選手ページの「参考・出典」に掲載しています。
※この記事の情報は2026年10月1日時点のものです。



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