英田理志の使用用具・戦術・経歴まとめ【2026年最新】

カットマンといえば、バック面に表ソフトや粒高ラバーを貼るのが定番です。ところが英田理志選手は、フォア・バックの両面に裏ソフトラバーを貼る「裏裏カットマン」。カットも攻撃も自由自在にこなす、オールラウンダー型の選手です。この記事では、英田選手の経歴・使用用具・技術・戦術・戦績を一次情報をもとに解説します。

2022年9月のTリーグ開幕戦では、リオ・東京五輪ブラジル代表で当時世界ランク5位だったウーゴ・カルデラノ選手を3-1で撃破し、チームを劇的勝利に導きました。

実業団選手からプロ転向、スウェーデン・アメリカ・ポーランドと海外リーグを渡り歩くキャリアも、日本のカットマンとしては異色です。牧師である父の影響でキリスト教徒として育ち、自身も一時は牧師への道を考えていたという経歴も持ちます。

英田理志はこんな選手!

  • プロフィール:1993年生まれ、鳥取県米子市出身の右シェーク裏裏カット。牧師の家系に生まれ、自身もキリスト教徒
  • 経歴:実業団を退職しプロ転向。スウェーデン・アメリカ・ポーランドと複数の海外リーグを渡り歩いてきた
  • 用具:正宗(ラケット)+ラクザZエクストラハード(フォア)+ラクザZ(バック)。フォア・バックとも裏ソフトという珍しい組み合わせ
  • 技術:同じフォームから多彩な回転・長さを繰り出すバックサーブがサービスエースを量産。脱力系のカットと、力みのない両ハンドの強打も持ち味
  • 戦術:攻撃・変化・守備のバランス型。前後に動きながら攻守を自在に切り替える
  • その他:2022年Tリーグ開幕戦で、当時世界ランク5位のウーゴ・カルデラノ選手から金星
目次

英田理志のプロフィール

公式Instagram(@aidahochopper)でも本人の投稿を見ることができます。

プレーは、テレ東卓球チャンネルの動画で見ることができます。

基本情報

項目内容
名前英田 理志(あいだ さとし)/Satoshi Aida
生年月日1993年3月19日(33歳 ※2026年9月時点)
国籍/出身地日本(鳥取県米子市)
身長162cm
所属日の出医療福祉グループ(実業団)
Tリーグ岡山リベッツ(背番号19、2025年〜)
戦型右シェーク裏裏カット
用具契約ヤサカ
世界ランキング過去最高80位(2023年10月)
出身校島田商業高校(静岡)→朝日大学(岐阜)

主な実績

  • 2022年WTTフィーダーフォトローダーデール男子シングルス優勝
  • 2022年Tリーグ開幕戦でウーゴ・カルデラノ選手(当時世界ランク5位)撃破
  • スウェーデンリーグ・エースレーブでシーズン17勝2敗、個人成績1位・チーム優勝
  • 世界ランキング自己最高80位(2023年10月)

詳しい戦績は後述しています。

英田理志の経歴

牧師の家系に生まれ、遅めのスタートから這い上がる

英田選手は、福岡大学卓球部に在籍していた牧師の父の影響で、2歳ごろから卓球に触れていました。ただし本格的に始めたのは小学6年生とかなり遅め。静岡の藤枝スポーツ少年団に所属し、中学(静岡県青島中学)では全日本マスターズ優勝経験のある西村雅裕氏に師事して力をつけていきました。

高校(島田商業高校)ではインターハイ県予選で準優勝し出場を果たしたものの、全国では2回戦敗退。大学(朝日大学)では週40時間以上を練習に費やし、4年時には東海学生選手権シングルスで優勝しました。

牧師である父の影響で自身もキリスト教徒であり、大学卒業後は牧師になるための勉強をする予定でしたが、大学4年間で卓球への手ごたえをつかみ、実業団・信号器材に就職。社会人1年目の2015年には全日本社会人選手権ダブルス3位という結果も残しています。

実業団を辞めてプロへ、スウェーデンでの修業時代

大きな転機となったのが2017年。用具スポンサーであるヤサカの社長の紹介で、実業団を退職してスウェーデンリーグへの参戦を決断しました。「実業団選手」から「プロ選手」への転向です。

移籍先のスパルバーゲンは、バルセロナ五輪金メダリストのワルドナー選手や神巧也選手も所属した名門クラブ。1年目から個人成績2位という結果を残しました。その後移籍したエースレーブでは、シーズン17勝2敗で個人成績1位、チームもリーグ優勝という成績を残しています。

2020年7月にTリーグ・T.T彩たまへ加入。国内でも2021年全日本選手権男子シングルスベスト8、同年全日本社会人選手権ベスト4と結果を残し、2022年9月のTリーグ開幕戦ではウーゴ・カルデラノ選手からの金星につながりました。その後もアメリカのMLTT、ポーランドリーグと、活動の場を広げ続けています。

経歴年表

2歳頃
牧師の父の影響で卓球に触れ始める
小学6年
本格的に競技を開始

静岡・藤枝スポーツ少年団に所属。

島田商業高校
インターハイ県予選準優勝、全国は2回戦敗退
朝日大学
4年時に東海学生選手権シングルス優勝
卒業後
実業団・信号器材に入社
2015年
全日本社会人選手権 男子ダブルス3位
2017年
信号器材を退職、プロ転向

スウェーデンリーグ・スパルバーゲンに加入し個人成績2位。

2018-19年頃
スウェーデンリーグ・エースレーブへ移籍

17勝2敗で個人1位・チーム優勝。

2020年7月
Tリーグ・T.T彩たまに加入
2021年
全日本選手権 男子シングルスベスト8

全日本社会人選手権ベスト4。

2022年9月
Tリーグ開幕戦でウーゴ・カルデラノ選手に勝利
2022年12月
WTTフィーダーフォトローダーデールで男子シングルス優勝
2023-24シーズン
アメリカ・MLTTに参戦
2024-25シーズン
T.T彩たまから静岡ジェードへ移籍
2025年〜
岡山リベッツへ移籍

ポーランドリーグにも参戦。

英田理志の使用用具(ラケット・ラバー)

種類用具名仕様
ラケット
正宗(ヤサカ)
―
フォアラバー
ラクザZ エクストラハード(ヤサカ)ラクザZ エクストラハード(ヤサカ)
裏ソフト、粘着テンション系
バックラバー
ラクザZ(ヤサカ)ラクザZ(ヤサカ)
裏ソフト、粘着テンション系
シューズ
ウエーブドライブNEO4(ミズノ)とみられるウエーブドライブNEO4(ミズノ)とみられる
2026年の写真から

※バックラバーは情報源により表記が分かれます(下記「用具の変遷」参照)。本表は最新の対戦データまで反映している卓球ナビの記載を採用しています。

ラケット|正宗

ヤサカの契約選手が使用するラケット。プロ選手監修で、カットにも攻撃にも対応できる設計とされています。

フォアラバー|ラクザZ エクストラハード

粘着性のテンション系裏ソフト。両ハンド攻撃を武器にする英田選手のフォア面を支えるラバーです。

バックラバー|ラクザZ

見た目・性質は表ソフトや粒高とは異なり、フォアと同じ裏ソフトです。全日本団体戦での敗退を機に用具を見直し、フォア・バックとも特厚から厚へ、バックはラクザ7からラクザZへ変更したと、ヤサカの公式記事で紹介されています。「薄く軟らかくして、ラケットも10g近く軽くなった。板の良さを感じることができます」というコメントも残っており、ラクザZエクストラハード比で「安定して、どこに当たってもしっかりボールが入る」とも語っています。この変更後、全日本社会人選手権の男子ダブルスで自身初の全国タイトルを獲得しました。

シューズ|ウエーブドライブNEO4(とみられる)

2026年の写真では、ミズノの「ウエーブドライブNEO4」のダークグレー×レッド×ブルーを履いているとみられます。グリップ力を重視した靴底に、クッション性と軽さを組み合わせたモデルです。

用具の変遷(確認できた範囲)

バックラバー

  • 現在:ラクザZ
  • 過去:ラクザ7

フォア面・ラケットについては変更の記録が見つかっていません。

英田理志の技術|サービス・レシーブ・カット・攻撃

ラケットの両面に裏ソフトラバーを貼り、カットも攻撃も自由自在にこなす、まさに「オールラウンダー」な選手です。ここでは技術ごとに見ていきます。

サービス

バックサーブが主体で、同じフォームからさまざまな回転・長さを繰り出します。一見さりげないサーブですが変化や回転が読みにくく、プロ同士の試合でもサービスエースを多数取っています。攻撃型の選手を含めても、ここまでサービスエースを取れる選手は多くありません。間違いなく英田選手の代名詞の一つです。

レシーブ・ツッツキ

サービスに続く展開も、ツッツキで繋ぐのか、カットに入るのか、攻撃に転じるのか読めないのが特徴です。この「読めなさ」自体が、英田選手の大きな武器になっています。

カット

脱力系のカットで、やや横回転を混ぜることで、相手に回転を読み切らせないようにしていると見られます。しっかりボールを引きつけてからバックスイングを始めるカットは、どことなく侯英超(Hou Yingchao)選手のようなコンパクトさが感じられます。

攻撃

両ハンドとも強力で、力みのないしなるようなスイングが特徴です。ラケットのグリップは、あまり強く握りすぎないように意識しているといいます。どの場面でこの攻撃が生きるかは、次の「戦術」で詳しく紹介します。

英田理志の戦術

基本的なプレースタイル

前後に動きながら攻撃と守備を切り替え続ける戦い方は、強靭な肉体に支えられているとも考えられます。フォア・バックとも裏ソフトという珍しい組み合わせが、この自在な切り替えを可能にしています。

得点パターン

英田選手の得点パターンは、大きく3つに整理できます。

  • バックサーブからの多彩な展開:同じフォームから多彩な回転・長さのバックサーブを繰り出してサービスエースを狙いつつ、相手に返されてもツッツキ・カット・攻撃のどれに転じるか読ませない
  • 脱力カットでの回転隠し:やや横回転を混ぜた脱力系のカットで、相手に回転を読み切らせず崩す
  • 両ハンドの強打:力みのないしなるスイングで、フォア・バックどちらからも強力な攻撃を仕掛ける

英田理志の戦績

リオ・東京五輪代表からの金星

「英田理志は何がすごいのか」と聞かれたら、まず挙がるのは「実業団を辞めてプロに転向し、海外で結果を出したこと」です。

  • 2017年 スウェーデンリーグ・スパルバーゲン:ワルドナー選手も所属した名門クラブで、1年目から個人成績2位
  • スウェーデンリーグ・エースレーブ:シーズン17勝2敗で個人成績1位、チームもリーグ優勝
  • 2022年9月 Tリーグ開幕戦:リオ・東京五輪ブラジル代表、当時世界ランク5位のウーゴ・カルデラノ選手に3-1で勝利。「負けてもともと、気楽にプレーしたのが良かった」とコメント
  • 2022年12月 WTTフィーダーフォトローダーデール:決勝で東京五輪フランス代表のシモン・ゴジ選手を破り男子シングルス優勝

実業団選手からプロに転向するという決断自体が珍しいなかで、複数の海外リーグで結果を残し、日本でも五輪代表クラスから金星を挙げてきたのが英田選手のキャリアです。

詳しい戦績

国際大会

年大会種目成績
2015年USオープン男子シングルスベスト4
2022年WTTフィーダーフォトローダーデール男子シングルス優勝
2023年WTTフィーダーヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア男子ダブルス準優勝(吉村和弘とペア)

国内大会

年大会種目成績
2014年東海学生選手権男子シングルス優勝
2015年全日本社会人選手権男子ダブルス3位
2021年全日本社会人選手権男子シングルスベスト4
2021年全日本選手権男子シングルスベスト8
2022年全日本選手権男子シングルスベスト16

日本リーグでは、朝日大学時代を含めシングルス通算58勝33敗、ダブルス通算35勝34敗という成績を残しています(1部・2部含む)。

世界ランキングの推移

  • 2023年10月:自己最高の80位
  • 2025年4月:482位

最近の試合結果

国際大会

WTTフィーダー ビエンチャン2026年8月

  • 2回戦敗Yiu K.香港2-313-11, 11-6, 12-14, 7-11, 11-13

WTTコンテンダー リュブリャナ2026年6月

  • 1回戦敗Wong C.香港1-311-8, 8-11, 4-11, 9-11
  • 予選勝Chan B.香港3-011-5, 11-9, 11-8
  • 予選勝Kwan M.香港3-111-5, 11-9, 7-11, 11-2
  • 予選勝フレイタスポルトガル3-27-11, 11-3, 11-7, 9-11, 11-2

WTTコンテンダー ザグレブ2026年6月

  • 予選敗ゲラシメンコカザフスタン1-38-11, 11-9, 7-11, 7-11
  • 予選勝チュアシンガポール3-011-9, 11-5, 11-7

WTTコンテンダー スコピエ2026年6月

  • 予選敗モビレアヌルーマニア1-310-12, 12-10, 5-11, 7-11
  • 予選敗ヌイティンクベルギー2-37-11, 11-8, 11-2, 9-11, 3-11

WTTフィーダー プリシュティナ2026年5月ベスト4

  • 準決勝敗バンクロアチア1-310-12, 10-12, 11-4, 12-14
  • 準々決勝勝ブルヘルチェコ3-26-11, 14-12, 11-8, 9-11, 11-4
  • 3回戦勝デサイインド3-011-8, 11-4, 11-9
  • 2回戦勝カラバジャクコソボ3-011-4, 12-10, 11-7

WTTコンテンダー 太原2026年4月

  • 2回戦敗李天陽中国2-311-9, 11-8, 9-11, 6-11, 7-11
  • 予選勝ウ・ヒョンギュ韓国3-111-2, 11-5, 7-11, 11-9
  • 予選勝セーリータイ3-011-7, 11-5, 11-9

国内大会

Tリーグ 2026-2027シーズン

  • 9/12敗谷垣佑真金沢ポート0-37-11, 9-11, 9-11
  • 8/30敗村松雄斗静岡ジェード2-39-11, 11-3, 11-5, 8-11, 9-11
  • 8/15敗チョ・スンミン琉球アスティーダ0-36-11, 5-11, 6-11

全日本選手権2026年1月

  • 5回戦敗張本智和トヨタ自動車(宮城)1-45-11, 4-11, 8-11, 12-10, 5-11
  • 4回戦勝淺津碧利シチズン時計(東京)4-011-2, 12-10, 11-8, 11-6

全日本選手権2025年1月

  • 5回戦敗張本智和智和企画(宮城)1-49-11, 9-11, 11-9, 6-11, 2-11
  • 4回戦勝岩井田駿斗野田学園中(山口)4-311-5, 9-11, 11-6, 6-11, 12-10, 7-11, 11-9

全日本選手権2024年1月

  • 5回戦敗田中佑汰個人(佐賀)0-45-11, 5-11, 7-11, 7-11
  • 4回戦勝岡野俊介朝日大(岐阜)4-19-11, 11-7, 13-11, 11-9, 11-7
  • 3回戦勝高橋響生明治大(山形)3-011-6, 11-9, 11-9
  • 2回戦勝木方圭介野田学園高(山口)3-29-11, 11-5, 7-11, 11-7, 11-8
  • 1回戦勝宮本大輝専修大(福岡)3-011-2, 11-9, 11-4

全日本選手権2023年1月

  • 4回戦敗坂根翔大関西卓球アカデミー(大阪)2-411-2, 3-11, 14-12, 5-11, 4-11, 8-11

全日本選手権2022年1月

  • 6回戦敗上田仁T.T彩たま(埼玉)0-49-11, 6-11, 4-11, 3-11
  • 5回戦勝硴塚将人協和キリン(東京)4-28-11, 11-6, 4-11, 11-8, 11-4, 11-9
  • 4回戦勝西康洋明治大(東京)4-011-9, 11-4, 11-9, 11-7

男子シングルスの結果(新しい順)。2026年10月18日時点。

英田理志のその他の活躍

英田選手を語るうえで、佐藤瞳選手との混合ダブルスも欠かせません。2025年のWTTスターコンテンダーマスカット・WTTフィーダースポケーンIで、いずれも混合ダブルス優勝を果たしています。佐藤瞳選手については別ページ佐藤瞳で詳しく紹介しています。

まとめ

  • 英田理志選手は、1993年生まれ・鳥取県米子市出身の右シェーク裏裏カット
  • フォア・バック両面に裏ソフトラバーを貼る、カットマンには珍しいスタイルで両ハンド攻撃を武器にする
  • 実業団を退職しプロ転向。スウェーデン・アメリカ・ポーランドと複数の海外リーグを渡り歩いてきた
  • 同じフォームから多彩な回転を繰り出すバックサーブが代名詞
  • 2022年Tリーグ開幕戦で、リオ・東京五輪ブラジル代表のウーゴ・カルデラノ選手から金星

異色のスタイルと異色のキャリアを両方持つカットマンです。国内外を渡り歩く活動の広さは、今後も注目していきたいところです。

この記事を書いた人

チョッピー(Choppy)
カットマン歴15年以上。中学で卓球を始め、高校でカットマンに転向し、大学で練習を重ね、社会人の今もカットマンを続けています。

カットマンに関する情報は限定的で、指導者や知り合いから教えてもらうことがほとんど。暗黙知になりがちなカットマンの情報を共有知に変え、カットマン界を盛り上げたい。カットマン人口を増やしたい。そんな思いでこのサイトを作りました。

運営者チョッピーのプロフィールとサイトについて

参考・出典

※この記事の情報は2026年9月25日時点のものです。

コメント

コメント一覧 (3件)

コメントする

目次