谷岡あゆかさんは、JOCエリートアカデミーの第1期生として育ち、2010年のユースオリンピックで丹羽孝希選手と組んだ混合団体で金メダルを獲得したカットマンです。実業団のサンリツやTリーグの木下アビエル神奈川でプレーし、2022年3月に現役を引退。現在は東京を拠点にレッスンなどで卓球を伝えています。この記事では、谷岡あゆかさんの経歴・使用用具・技術・戦術・戦績を一次情報をもとに解説します。
2010年8月、シンガポールで開かれた第1回ユースオリンピック。卓球の混合団体で、16歳の谷岡あゆか選手は同じJOCエリートアカデミーの丹羽孝希選手と組み、金メダルを獲得しました。エリートアカデミーの2人がそろって頂点に立ったこの優勝は、日本の若手育成の成果として大きく報じられました。
ジュニア時代には全日本選手権のカブ・ホープス・ジュニアの各部で優勝し、2011年には世界卓球選手権にも出場。フォアのドライブと、バックの粒高で打つ変化のあるカットを武器に戦ってきました。
谷岡あゆかはこんな選手!
- プロフィール:1994年生まれ、高知県高知市出身の右シェーク裏粒カット。身長156cm
- 経歴:JOCエリートアカデミー第1期生。サンリツ、Tリーグの木下アビエル神奈川を経て2022年3月に引退
- 用具:バタフライ特注ラケット+テナジー64+フェイントロング3
- 技術:フォアの切れたカットとドライブ連打、バックの粒高で送る絶妙な高さのカット
- 戦術:粒高の変化と高さで、相手に強打かループかの判断を迷わせる
- その他:2010年ユースオリンピックで丹羽孝希選手と混合団体金メダル
谷岡あゆかのプロフィール
公式Instagram(@taniiiiiii623)でも本人の投稿を見ることができます。
プレーは、バタフライ公式チャンネルの動画で見ることができます。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 谷岡 あゆか(たにおか あゆか)/Ayuka Tanioka |
| 生年月日 | 1994年6月23日(32歳 ※2026年9月時点) |
| 出身地 | 高知県高知市 |
| 身長 | 156cm |
| 元所属 | サンリツ(日本卓球リーグ) |
| 元所属(Tリーグ) | 木下アビエル神奈川(2021-22シーズン、背番号23) |
| 戦型 | 右シェーク裏粒カット |
| 世界ランキング | 自己最高72位(2011年12月) |
| 出身校 | 北区立稲付中学校→帝京高校→日本体育大学 |
主な実績
- 2006年 全日本選手権 ホープスの部 女子シングルス優勝
- 2008年 世界ジュニア選手権 女子シングルス・女子ダブルス3位
- 2010年 ユースオリンピック(シンガポール) 混合団体金メダル(丹羽孝希選手とペア)
- 2011年 世界卓球選手権(ロッテルダム) 出場
- 2012年 全日本選手権 ジュニア女子シングルス優勝
詳しい戦績は後述しています。
谷岡あゆかの経歴
高知から、JOCエリートアカデミーの第1期生へ
谷岡さんは高知県高知市の出身です。小学生のころから全国で頭角を現し、2004年に全日本選手権のカブの部(小学4年生以下)、2006年にホープスの部(小学6年生以下)で優勝しました。
その後、トップ選手を早い段階から一貫して育てるJOCエリートアカデミーの第1期生に選ばれ、東京のナショナルトレーニングセンターを拠点に、北区立稲付中学校・帝京高校に通いながら腕を磨きました。2010年のユースオリンピックで金メダル、2012年の全日本選手権ジュニアの部で優勝し、2013年3月に佐藤優衣選手とともにエリートアカデミーを修了しています。
実業団、Tリーグを経て引退
高校卒業後は実業団のオークワに入り、のちに日本体育大学へ進学。大学卒業後は実業団のサンリツで日本卓球リーグを戦いました。2021-22シーズンには、同じサンリツの三村優果選手とともにTリーグの木下アビエル神奈川と契約し、Tリーグの舞台にも立っています。
2022年3月に現役を引退しました。
経歴年表
谷岡あゆかの使用用具(ラケット・ラバー)
| 種類 | 用具名 | 仕様 |
|---|---|---|
| ラケット | 特注シェーク(バタフライ) | カット用 |
| フォアラバー | 裏ソフト | |
| バックラバー | 粒高 |
※Rallysの選手紹介(2025年5月更新、現役時代の用具)より。
ラケット|バタフライ特注
バタフライの特注ラケットを使っていました。モデル名は公表されていません。
フォアラバー|テナジー64
バタフライのスピード系裏ソフトです。フォアの切れたカットと、ドライブの連打を支えていました。
詳しい特徴やレビューは、テナジー64の用具ページで解説しています。
バックラバー|フェイントロング3
バタフライの粒高ラバーです。粒高の変化を生かしたバックカットの核になっていました。
詳しい特徴やレビューは、フェイントロング3の用具ページで解説しています。
用具の変遷
ラケット
- 現在(現役時代):特注シェーク(バタフライ)
フォアラバー
- 現在(現役時代):テナジー64
バックラバー
- 現在(現役時代):フェイントロング3
時期による用具の変遷は、公開情報では確認できていません。
フェイントロング3を使うカットマンたち
バックのフェイントロング3は、ドイツのルーウェン・フィルス選手も使っている粒高で、橋本帆乃香選手も高校時代に使っていました。
谷岡あゆかの技術|サービス・ツッツキ・カット・攻撃
谷岡さんの技術は、フォアの攻撃力とバックの粒高カットの変化の組み合わせです。
カット
フォアは切れたカット、バックは粒高の変化と絶妙な高さのカットが特徴です。バックカットは高さの設定が巧みで、相手は強打するべきか、ループドライブでつなぐべきかの判断に迷わされます。
攻撃
フォアハンドのドライブ連打が武器です。カットで守るだけでなく、フォアで続けて打ち込む攻撃力を持っていました。
デスカット(ジャイロ回転のカット)
谷岡さんは、試合でデスカットを積極的に使っていたカットマンでもあります。ここでいうデスカットは、ボールの進行方向に回転軸がある「ジャイロ回転」のカットです。ボールの底を横方向へスイングするカットがそれにあたります。相手は回転軸の周りを打たされるため、ドライブで返そうとするとネットにかかりやすく、ツッツキで返そうとすると浮きやすくなります。
谷岡あゆかの戦術
基本的なプレースタイル
バックの粒高カットの変化と高さで相手を迷わせ、甘くなったボールをフォアのドライブで連打して仕留めるスタイルです。
得点パターン
公開情報から読み取れる得点パターンは次のとおりです。
- 粒高カットの高さと変化で、相手に強打かループかの判断を迷わせてミスを誘う
- 相手の甘いボールをフォアのドライブ連打で決める
- デスカット(ジャイロ回転のカット)で直接得点する、またはデスカットで甘くなった返球を次の攻撃で決める
谷岡あゆかの戦績
ジュニア時代から世界の舞台へ
- 2004年:全日本選手権 カブの部 女子シングルス優勝
- 2006年:全日本選手権 ホープスの部 女子シングルス優勝
- 2008年:世界ジュニア選手権 女子シングルス・女子ダブルス3位
- 2010年:ユースオリンピック 混合団体金メダル(丹羽孝希選手とペア)
- 2012年:全日本選手権 ジュニア女子シングルス優勝
詳しい戦績
国際大会
| 年 | 大会 | 種目 | 成績 |
|---|---|---|---|
| 2008年 | 世界ジュニア選手権 | 女子シングルス/女子ダブルス | 3位/3位 |
| 2008年 | ITTFカデットチャレンジ | 女子シングルス・ダブルス・団体 | 3冠 |
| 2010年 | ユースオリンピック(シンガポール) | 混合団体 | 金メダル(丹羽孝希) |
| 2011年 | 世界卓球選手権(ロッテルダム) | 女子シングルス | 出場 |
| 2012年 | 世界ジュニア選手権 | 女子ダブルス | 3位 |
国内大会
| 年 | 大会 | 種目 | 成績 |
|---|---|---|---|
| 2004年 | 全日本選手権(カブの部) | 女子シングルス | 優勝 |
| 2006年 | 全日本選手権(ホープスの部) | 女子シングルス | 優勝 |
| 2012年 | 全日本選手権(ジュニアの部) | 女子シングルス | 優勝 |
Tリーグ
| シーズン | チーム | 備考 |
|---|---|---|
| 2021-22 | 木下アビエル神奈川 | 背番号23 |
世界ランキングの推移
- 2011年12月:自己最高72位
全日本選手権の試合結果
国内大会
全日本選手権2019年1月
- 2回戦敗打浪優神戸松蔭女子学院大(兵庫)1-35-11, 6-11, 11-6, 11-13
- 1回戦勝藤森友菜希望が丘高(福岡)3-011-5, 11-3, 11-8
全日本選手権2018年1月
- 2回戦敗船本さくら愛知工業大(愛知)0-37-11, 8-11, 8-11
全日本選手権2017年1月
- 3回戦敗松村夏海アスモ(静岡)0-38-11, 9-11, 4-11
- 2回戦勝川崎茉惟聖和学園高(宮城)3-011-5, 11-7, 11-3
全日本選手権2016年1月
- 2回戦敗永田彩夏中央大(山口)2-35-11, 11-8, 11-4, 7-11, 7-11
- 1回戦勝山内麻祐子立命館大(奈良)3-27-11, 11-9, 5-11, 11-7, 11-8
全日本選手権2013年1月
- 3回戦敗森薗美月四天王寺高(大阪)2-311-5, 8-11, 4-11, 11-4, 9-11
- 2回戦勝白鳥舞淑徳大(埼玉)3-011-8, 11-5, 11-2
全日本選手権2012年1月
- 4回戦敗大庭咲陽子淑徳大(埼玉)0-45-11, 5-11, 8-11, 7-11
全日本選手権2011年1月
- 3回戦敗亀崎遥早稲田大(埼玉)1-38-11, 11-8, 7-11, 9-11
- 2回戦勝木内彩子里湯昔話雄山荘ロイヤルクラブ(滋賀)3-011-6, 11-5, 11-7
全日本選手権2010年1月
- 4回戦敗阿部奈々淑徳大(埼玉)1-411-9, 5-11, 4-11, 10-12, 8-11
全日本選手権2009年1月
- 5回戦敗若宮三紗子立命館大(京都)3-47-11, 5-11, 8-11, 11-9, 11-2, 11-7, 9-11
- 4回戦勝工藤文子NEC SKY(熊本)4-013-11, 11-6, 11-5, 11-9
- 3回戦勝石塚美和子十六銀行(岐阜)3-111-5, 11-5, 10-12, 13-11
- 2回戦勝藤田有香子福岡大(福岡)3-214-12, 8-11, 11-9, 8-11, 12-10
- 1回戦勝宮里美菜子(株)エクセディ(三重)3-111-13, 11-8, 15-13, 11-3
女子シングルスの結果(新しい順)。2026年10月18日時点。
谷岡あゆかのその他の活躍
卓球コーチとしての活躍
2022年3月の引退後は、指導者として活動しています。東京のクラブ「Tortoise」では個人レッスンやグループレッスンを担当し、元トップ選手のカットを間近で学べる場になっています。選手としても、全日本クラブ選手権の女子30歳以上の部に出場するなど、今もラケットを握り続けています。
ユースオリンピックでの活躍
2010年の第1回ユースオリンピックで獲得した金メダルは、JOCエリートアカデミーにとっても大きな成果でした。一緒に戦った丹羽孝希選手は、その後オリンピックでメダルを獲得する日本のトップ選手に成長しています。
まとめ
- 谷岡あゆかさんは、1994年生まれ・高知県高知市出身の右シェーク裏粒カット
- JOCエリートアカデミー第1期生。2010年ユースオリンピックで丹羽孝希選手と混合団体金メダル
- 全日本選手権のカブ・ホープス・ジュニアの各部で優勝した、世代屈指のカットマン
- サンリツ、Tリーグの木下アビエル神奈川を経て2022年3月に引退
- 試合ではジャイロ回転のカット「デスカット」も武器にしていた
- 現在は東京を拠点にレッスンなどで卓球を伝えている
フォアの攻撃とバックの粒高の変化を兼ね備え、ジュニア時代から世界の舞台で戦ってきたカットマンです。
この記事を書いた人
チョッピー(Choppy)
カットマン歴15年以上。中学で卓球を始め、高校でカットマンに転向し、大学で練習を重ね、社会人の今もカットマンを続けています。
カットマンに関する情報は限定的で、指導者や知り合いから教えてもらうことがほとんど。暗黙知になりがちなカットマンの情報を共有知に変え、カットマン界を盛り上げたい。カットマン人口を増やしたい。そんな思いでこのサイトを作りました。
参考・出典
- JOC 【ユースオリンピック】卓球の混合チームで、丹羽孝希選手・谷岡あゆか選手組が金メダルを獲得!
- Rallys 谷岡あゆかの使用用具・大会成績・プロフィール
- Tリーグ公式 谷岡あゆか
- 関東学生卓球連盟 谷岡あゆか/佐藤優衣が3月でエリート卒業
- Tortoise 谷岡あゆか 個人レッスン
- Wikipedia 谷岡あゆか
※この記事の情報は2026年9月25日時点のものです。





コメント
コメント一覧 (2件)
[…] フェイントは、バタフライの粒高ラバーのシリーズです。1976年のフェイントソフト・フェイントOXから続く歴史のあるシリーズで、ルーウェン・フィルス選手や谷岡あゆか選手など、多くのカットマンがバックに使ってきました。この記事では、フェイントシリーズの全モデルの違いと、カットマンの目線での選び方をまとめます。 […]
[…] 特に積極的にプレーに取り入れているのが、平屋広大選手と谷岡あゆか選手です。2人とも、デスカットそのもので得点を狙うパターンや、デスカットで甘くなった返球を次の攻撃で決めるパターンを持っています。平屋広大選手は「デスカットマン」の通称でも知られ、YouTubeの動画でも「元祖デスカット」として紹介されています。 […]