フェイントロング3(フェイント ロングⅢ)は、バタフライの粒高ラバーです。ルールで許される限界の細長い粒を、適度に倒れるように設計していて、変化よりも安定性と回転量の差を重視したラバーです。この記事では、フェイントロング3の製品情報・特徴・評価・使用選手を、メーカーの公式情報をもとにまとめます。厚さ違いの0.5とOXも、この記事で比べて紹介します。
ドイツのルーウェン・フィルス選手をはじめ、国内外のカットマンがバックに使ってきた定番の粒高です。
フェイントロング3の製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | バタフライ |
| 種類 | 粒高(ツブ高ラバー) |
| シートの色 | レッド、ブラック |
| スポンジ硬度 | 25 |
| スポンジ厚 | 1.3mm、1.1mm(0.5mmとスポンジなしのOXは別品番) |
| 性能(バタフライの指標) | 安定性8、変化3 |
| 価格 | 2,750円(税込)。0.5は3,300円、OXは2,750円 |
| 発売 | 2004年11月21日 |
| 生産国 | 日本 |
| 品番 | 00320(0.5は00340、OXは00330) |
※バタフライ公式サイトの製品情報より(2026年9月時点)。性能の指標は、2023年2月に改定されたものです。0.5mmは、バタフライの通販サイトで「超ゴクウス」とも表記されています。
フェイントロング3のカットマン目線の特徴
カットマンの技術別に、5段階で評価します。各指標は、メーカーのカタログ値やレビューの記載内容、運営者による使用感を総合的に考慮し、CHOPPERS独自に算出したものです。使用者の技術や感覚、ラケットとの組み合わせにより異なることをご了承ください。
| 評価項目 | 評価 | カットマン目線での見方 |
|---|---|---|
| 守備・カット性能 | ★★★★★ | 柔らかいスポンジで強打を抑えやすく、変化より安定性を重視した粒高です。 |
| 攻撃・反撃性能 | ★★☆☆☆ | スピードはほとんど出ないので、攻撃はフォア面で行うのが基本です。 |
| サーブ・台上性能 | ★★★☆☆ | 安定したツッツキが送れますが、自分から回転をかけるのは難しいラバーです。 |
ルール限界の細長い粒を、適度に倒れるように設計
バタフライは、粒の細長さ(粒の高さと太さの比率)をルールで許される限界に保ったまま、粒が適度に倒れるように形状や硬さを設計したラバーと説明しています。高い安定性に加えて、回転量の差を求める前陣攻守型や、切れ味を求めるカット主戦型に勧められています。
変化より安定性を重視
バタフライの指標では、安定性が8、変化が3です。同じフェイントシリーズのフェイントロング2(安定性5・変化5)と比べると、はっきり安定性寄りに作られています。相手の回転を利用した大きな変化よりも、自分でかける回転の量と、その差で勝負するタイプの粒高です。
柔らかいスポンジで強打を抑える
スポンジ硬度は25と柔らかく、フェイントロング2(38)よりかなり柔らかくなっています。強打を受けたときにスポンジが勢いを吸収してくれるため、カットが安定しやすくなります。
手ごろな価格
税込2,750円と、粒高ラバーの中でも手ごろな価格です。消耗品のラバーを定期的に貼り替えるカットマンにとっては、続けやすい価格です。
使うときのポイント
ツッツキがしやすく、カットも安定する、粒高の王道といえるバランスです。その代わり、ラバーが勝手に変化を生むタイプではないので、回転や変化は自分のスイングで作る必要があります。打球感はカールP4Vとよく似ていて、どちらも粒高の最初の1枚の候補になります。
フェイントロング3の評価
卓球ナビに寄せられたユーザー評価(40件)の平均値は次のとおりです。
| 項目 | 平均 |
|---|---|
| 総合評価 | 7.4 |
| スピード | 3.1 |
| スピン | 4.83 |
| コントロール | 8.6 |
0.5mm(超ゴクウス)は別に評価があり、11件で総合7.82、スピード2.64、スピン5.82、コントロール7.91です。
良い評価
- 粒が倒れやすく、ツッツキが切りやすい
- カットが安定し、回転量の多いボールが送れる
- 強打を受けたとき、スポンジが勢いを抑えてくれる
- 粒が硬めでコントロールしやすく、粒高を始める人に向いている
- 価格が安い
気になる評価
- 変化が小さく、上級者には物足りなくなることがある
- スピードが出にくく、前陣で攻めるタイプには物足りない
- 相手の回転を利用した、クセのあるボールは出しにくい
コントロールの平均8.6は、同じ粒高のカールP1V(6.97)やグラスディーテックス(5.04)と比べても高い値です。変化の大きさよりも、安定と回転量で勝負するラバーです。
ほかの粒高との比べ方
TSPのカールP1と比べると粒が硬く、変化は少ないもののコントロールしやすいラバーです。カールP4と比べると、回転とコントロールはフェイントロング3、スピードはカールP4が上です。
合わせているラケット
ディフェンシブクラシック・ディフェンシブプロ・村松雄斗 90thモデルなど、カット用ラケットに合わせる使い方が多いラバーです。0.5mmでは、朱世赫や剛力スーパーカットと合わせた例があります。
フェイントロング3を使用するカットマン選手
| 選手 | 使用の時期 |
|---|---|
| ルーウェン・フィルス(ドイツ) | 使用中(2025年5月時点) |
| 谷岡あゆか | 現役時代 |
| 厚谷武志 | 2019年11月時点、超極薄 |
| テティアナ・ビレンコ(ウクライナ) | 使用中 |
| 橋本帆乃香 | 高校時代、極薄(2016年1月時点)。現在はドナックル |
このほか、ビクトリア・パブロビッチ選手(ベラルーシ)も使っているとされています。
フィルス選手・谷岡あゆか選手・厚谷武志選手・ビレンコ選手は、いずれもフォアにバタフライのテナジー(05または64)を合わせています。フィルス選手と厚谷選手は、ラケットも朱世赫モデル(フィルス選手はバタフライの特注)で、バタフライの用具でそろえた組み合わせです。
フェイントロング3の厚さの違いと選び方(1.3・1.1/0.5/OX)
フェイントロング3は、同じシートをスポンジ厚1.3・1.1、0.5(超ゴクウス)、スポンジなしのOXの3つの品番で選べます。指標はどれも安定性8・変化3ですが、スポンジが薄いほど反発が低くなります。
| 厚さ | 品番 | 価格(税込) | 守備・カット | 攻撃・反撃 | サーブ・台上 | 卓球ナビ総合 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1.3・1.1mm | 00320 | 2,750円 | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | 7.4(40件) | 粒高のカットを安定させたい・粒高を始める |
| 0.5mm | 00340 | 3,300円 | ★★★★★ | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ | 7.82(11件) | ナックルのカットやツッツキを出したい |
| OX(なし) | 00330 | 2,750円 | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | 7(1件) | 回転量の差を生かしつつ、反発をさらに抑えたい |
スマートフォンでは、表を左右にスクロールして見られます。※価格・品番はバタフライ公式サイト、評価は卓球ナビのユーザー評価の平均(2026年9月時点)。
フェイントロング3 0.5(超ゴクウス)
0.5mmの薄いスポンジ(硬度25)を組み合わせたモデルです。スポンジのないOXより打球感が安定し、厚いスポンジより反発を抑えられます。極薄のスポンジでも少しボールを持てるので、ツッツキが安定しやすくなります。
| 評価項目 | 評価 | カットマン目線での見方 |
|---|---|---|
| 守備・カット性能 | ★★★★★ | 薄いスポンジで反発を抑え、変化と安定を両立した粒高です。 |
| 攻撃・反撃性能 | ★☆☆☆☆ | スピードはほとんど出ないので、攻撃はフォア面で行う前提です。 |
| サーブ・台上性能 | ★★★☆☆ | 極薄のスポンジでも少しボールを持てるので、ツッツキが安定しやすいラバーです。 |
使った人の評価の傾向は次のとおりです。
- ナックルカットやナックルのツッツキが出しやすい
- カットの性能は安定しているが、変化は控えめ
- 粒高としては反発が低く、初心者にも扱いやすい
厚谷武志選手が、バックに超極薄として使っていました(2019年11月時点)。
フェイントロング3 OX(スポンジなし)
スポンジのない一枚ラバーです。軽く、反発が低いので、強打を止めやすくなります。その代わり球離れが速く、ツッツキで自分から回転をかけるのは難しくなります。
| 評価項目 | 評価 | カットマン目線での見方 |
|---|---|---|
| 守備・カット性能 | ★★★★☆ | スポンジなしで反発が低く、強打を止めやすいラバーです。 |
| 攻撃・反撃性能 | ★★☆☆☆ | 攻撃は難しいものの、スポンジがない分、プッシュは出しやすいラバーです。 |
| サーブ・台上性能 | ★★☆☆☆ | 球離れが速く食い込みにくいので、ツッツキで自分から回転をかけるのは難しくなります。 |
使った人の評価の傾向は次のとおりです。
- 卓球ナビの評価はまだ1件のみ(2026年9月時点)
フェイントシリーズの中での位置づけ
フェイントロング3には、スポンジ厚1.3・1.1のモデルのほかに、0.5(超ゴクウス)とOXがあります(厚さの違いと選び方)。変化を求めるならフェイントロング2やフェイントOX、安定を最も重視するならフェイントソフトという位置づけです。バタフライには、2021年発売の「イリウスS」(カット主戦型向け)と「イリウスB」という新しい粒高もあります。シリーズの全モデルのスペックと選び方は、フェイントシリーズのまとめで比べています。
まとめ
- フェイントロング3は、バタフライの粒高(2004年発売)
- ルール限界の細長い粒を、適度に倒れるように設計。変化より安定性と回転量の差を重視
- スポンジ厚1.3・1.1、0.5(別品番)、OX(別品番)。税込2,750円からと手ごろ
- 0.5はナックルを出したいとき、OXは反発をさらに抑えたいときの選択肢
- 卓球ナビの総合評価は7.4で、コントロールの評価が高い
- ルーウェン・フィルス選手・谷岡あゆか選手・厚谷武志選手・ビレンコ選手などが使用
粒高のカットを安定させたいカットマンや、粒高をこれから始めるカットマンに向いたラバーです。
この記事を書いた人
チョッピー(Choppy)
カットマン歴15年以上。中学で卓球を始め、高校でカットマンに転向し、大学で練習を重ね、社会人の今もカットマンを続けています。
カットマンに関する情報は限定的で、指導者や知り合いから教えてもらうことがほとんど。暗黙知になりがちなカットマンの情報を共有知に変え、カットマン界を盛り上げたい。カットマン人口を増やしたい。そんな思いでこのサイトを作りました。
参考・出典
- バタフライ フェイント ロング3
- バタフライ フェイント ロング3 0.5
- バタフライ フェイント ロング3 OX
- バタフライ すべてのツブ高ラバー
- 卓球ナビ フェイント ロングⅢ
- 卓球ナビ フェイント ロングⅢ超ゴクウス
- 卓球ナビ フェイント ロングⅢOX
「フェイントシリーズの違いとカットマン向けの選び方|粒高を比較」もあわせてご覧ください。
※この記事の情報は2026年9月26日時点のものです。



コメント
コメント一覧 (1件)
[…] フェイントロング3(バタフライ) […]