ハン・インの使用用具・戦術・経歴まとめ【2026年最新】

ハン・イン選手は、中国・遼寧省出身でドイツ代表として活躍する、自己最高世界ランキング6位のカットマンです。バックに表ソフトを貼った守備型のスタイルで、2016年リオデジャネイロ五輪では女子団体の銀メダルを獲得。43歳を迎えた2026年も世界卓球の団体で銅メダルを手にし、世界ランキング上位の中国選手を破るなど第一線で戦い続けています。この記事では、ハン・イン選手の経歴・使用用具・技術・戦術・戦績を一次情報をもとに解説します。

2026年6月、アメリカで開かれたWTT USスマッシュの女子シングルス1回戦。43歳のハン・イン選手は、世界ランキング6位で21歳の陳熠(チェン・イー)選手に0-2とリードされながら、そこから3ゲームを連取して逆転勝ちしました。20歳以上若い世界のトップ選手を相手にしたこの勝利は、日本でも大きく報じられました。

2024年には両足のアキレス腱を相次いで断裂し、パリ五輪を欠場。それでも2025年2月の復帰戦となったヨーロッパTOP16で41歳にして優勝し、今も世界ランキング上位を保っています。

ハン・インはこんな選手!

  • プロフィール:1983年生まれ、中国・遼寧省出身のドイツ代表。右シェークのバック表ソフトカット。自己最高世界ランキング6位
  • 経歴:19歳でドイツに渡り、2011年にドイツ国籍を取得。日本のTリーグ・トップおとめピンポンズ名古屋でもプレー
  • 用具:松下浩二(VICTAS)+キョウヒョウNEO3+スペクトルS3(表ソフト)
  • 技術:切れたツッツキとカットで相手のタイミングをずらす
  • 戦術:守備を重視し、ラリーでチャンスを作ってから確実に決める
  • その他:両足のアキレス腱断裂から復帰し、43歳の2026年も世界卓球で団体銅メダル
目次

ハン・インのプロフィール

基本情報

項目内容
名前ハン・イン(韓瑩/Han Ying)
生年月日1983年4月29日(43歳 ※2026年9月時点)
国籍・出身地ドイツ(中国・遼寧省出身、2011年にドイツ国籍取得)
身長170cm
所属KTSタルノブジェク(ポーランド、2023年〜)
元所属(Tリーグ)トップおとめピンポンズ名古屋
戦型右シェークカット(フォア裏ソフト・バック表ソフト)
用具契約VICTAS
世界ランキング19位(2026年6月)/自己最高6位(2017年)

カットマンのバック面には粒高が多い中、ハン・イン選手はVICTASの表ソフト「スペクトル」を使っています。日本の卓球メディアでも「ドイツのベテランカットマン」として、国際大会のたびに取り上げられる選手です。

プレーは、テレ東卓球チャンネルの動画で見ることができます。

主な実績

  • 2016年 リオデジャネイロ五輪 女子団体銀メダル、女子シングルス5位
  • 2021年 東京五輪 女子シングルス5位、女子団体4位
  • 2022年・2026年 世界卓球選手権(団体) 女子団体銅メダル
  • ヨーロッパTOP16 優勝(2022年・2023年・2025年)
  • 2018年 ヨーロッパ選手権 混合ダブルス優勝(ルーウェン・フィルス選手とペア)

詳しい戦績は後述しています。

ハン・インの経歴

中国・遼寧省から19歳でドイツへ

ハン・イン選手は中国・遼寧省の出身です。体があまり丈夫でなかったため5歳でスポーツを始め、友人の影響で8〜9歳ごろから本格的に卓球に取り組むようになりました。区の体育学校を経て遼寧省のチームに入り、プロ選手となります。

転機は19歳のとき。競争の激しい中国では代表入りの機会が限られていたことから、コーチの推薦でドイツのリーグでプレーする道を選び、2002年にドイツへ渡りました。2011年にドイツ国籍を取得し、2013年からドイツ代表として国際大会で活躍しています。

なお、21歳を過ぎてから国籍を変更したため、ITTFの規定により一部の国際大会への出場が長く制限されていました。世界卓球選手権に初めて出場したのは2021年のヒューストン大会です。

リオ五輪の銀メダルと、日本との縁

2016年のリオデジャネイロ五輪では、女子団体の準決勝で日本と対戦。勝敗のかかった第5試合で福原愛選手に勝利し、ドイツを決勝に導きました。本人はこの試合を、それまでで一番印象に残っている試合に挙げています。

日本のTリーグには、2019年1月にトップおとめピンポンズ名古屋に加入。日本のリーグは選手を大切にしてくれ、レベルの高い選手が集まっているので自分の力を試したかったと、参戦の理由を語っています。

経歴年表

1983年4月
中国・遼寧省に生まれる

5歳
スポーツを始め、8〜9歳ごろから本格的に卓球へ

少年期
区の体育学校を経て遼寧省チームに入る

2002年
19歳でドイツに渡り、ドイツのリーグでプレー

2011年
ドイツ国籍を取得

2013年
ドイツ代表入り。ヨーロッパ選手権 女子シングルス3位

2014年
ITTFワールドツアー 韓国オープン優勝

2016年
リオデジャネイロ五輪 女子団体銀メダル

2017年
世界ランキング自己最高の6位

2018年
ヨーロッパ選手権 混合ダブルス優勝(ルーウェン・フィルス選手とペア)

2019年1月
Tリーグ・トップおとめピンポンズ名古屋に加入

2021年
東京五輪 女子シングルス5位。世界卓球選手権に初出場

2023年
ポーランドのKTSタルノブジェクに所属

2024年
アキレス腱断裂でパリ五輪を欠場

2025年2月
復帰後初の国際大会・ヨーロッパTOP16で優勝

2026年
世界卓球選手権(団体・ロンドン)で銅メダル。USスマッシュで世界6位の陳熠選手に逆転勝ち

ハン・インの使用用具(ラケット・ラバー)

種類用具名仕様価格(税込)
ラケットST/FL14,300円
フォアラバー粘着性裏ソフト―
バックラバー表ソフト・MAX(2.0mm)5,170円

※ラケット・バックラバーは2025年3月の卓球王国WEB(VICTAS)の記事、フォアラバーは卓球ナビ・Rallysの情報より。

ラケット|松下浩二

日本を代表するカットマン松下浩二さんの名前を冠した、VICTASのカット用ラケットです。VICTASのアドバイザリースタッフとして、長くこのラケットを使っています。

詳しい特徴やレビューは、松下浩二の用具ページで解説しています。

フォアラバー|キョウヒョウNEO3

中国・紅双喜の粘着性裏ソフトです。フォアのカットと攻撃に使っています。

詳しい特徴やレビューは、キョウヒョウNEO3の用具ページで解説しています。

バックラバー|スペクトルS3(表ソフト)

VICTASの表ソフトで、厚さは最も厚いMAX(2.0mm)を使っています。一般的に表ソフトは、粒高に比べて自分から回転をかけたり抜いたりしやすいと言われています。

詳しい特徴やレビューは、スペクトルS3の用具ページで解説しています。

用具の変遷

ラケット

  • 現在:松下浩二(VICTAS、ST/FL)

フォアラバー

  • 現在:キョウヒョウNEO3(紅双喜)

バックラバー

  • 現在:スペクトルS3(VICTAS、MAX)
  • 過去:スペクトルS1(VICTAS)

VICTAS公式のアドバイザリースタッフページではバックラバーが「スペクトルS1」と紹介されており、その後S3に替えたとみられます(切り替えの時期は未確認)。

バック表ソフトのカットマンたち

バックに表ソフトを使うカットマンとしては、中国の李天陽(Li Tianyang)選手、中国出身の侯英超(Hou Yingchao)選手(バックはハン・イン選手と同じVICTASのスペクトル)、日本の橋本帆乃香選手・佐藤瞳選手(変化系表ソフト「ドナックル」)がいます。また、ラケット「松下浩二」は中国の武楊(Wu Yang)選手も使っていたとされます。

ハン・インの技術|サービス・ツッツキ・カット・攻撃

ハン・イン選手の技術は、切れたツッツキとカットで相手のリズムを崩す守備が中心です。

ツッツキ

切れたツッツキを得意としていて、相手のタイミングをずらしてミスを誘います。

カット

守備を重視したスタイルで、切れたカットが持ち味です。

攻撃

攻撃は、ラリーの中でチャンスを作ってから確実に決める堅実なタイプです。

ハン・インの戦術

基本的なプレースタイル

守備を重視し、切れたツッツキとカットで相手のタイミングをずらしてミスを誘う戦い方が基本です。無理に打ち合わず、ラリーの中でチャンスを作ってから確実に決めにいきます。

試合の組み立て|2026年USスマッシュ・陳熠戦

ゲーム12345
ハン・イン59111111
陳熠(中国)1111377

世界ランキング6位の陳熠選手に2ゲームを先取されたあと、第3ゲームから流れを変え、8連続ポイントを奪うなどして3ゲームを連取しました。最後は陳熠選手のフォアドライブがオーバーミスとなり、ハン・イン選手の逆転勝ちで試合が決まっています。

得点パターン

公開情報から読み取れる得点パターンは次のとおりです。

  • 切れたツッツキ・カットで相手のタイミングをずらし、ミスを誘う
  • ラリーでチャンスを作り、確実に攻撃で決める

ハン・インの戦績

40歳を過ぎても世界の第一線で

  • 2016年:リオデジャネイロ五輪 女子団体銀メダル(準決勝で福原愛選手に勝利)
  • 2017年:世界ランキング自己最高6位
  • 2021年:東京五輪 女子シングルス5位
  • 2025年2月:アキレス腱断裂からの復帰後初の国際大会、ヨーロッパTOP16で41歳にして優勝
  • 2026年:世界卓球選手権(団体・ロンドン)で銅メダル、USスマッシュで世界6位の陳熠選手に逆転勝ち

詳しい戦績

国際大会

年大会種目成績
2013年ヨーロッパ選手権女子シングルス3位
2013年ITTFワールドツアー ドイツオープン女子シングルス3位
2014年ITTFワールドツアー 韓国オープン女子シングルス優勝
2015年ITTFワールドツアー オーストリアオープン女子シングルス優勝
2016年リオデジャネイロ五輪女子団体/女子シングルス銀メダル/5位
2016年ITTFワールドツアー・グランドファイナル女子シングルス準優勝
2018年ヨーロッパ選手権混合ダブルス優勝(ルーウェン・フィルス)
2020年女子ワールドカップ女子シングルス4位
2021年東京五輪女子シングルス/女子団体5位/4位
2022年世界卓球選手権(団体・成都)女子団体銅メダル
2022年ヨーロッパTOP16女子シングルス優勝
2023年ヨーロッパTOP16女子シングルス優勝
2025年ヨーロッパTOP16(モントルー)女子シングルス優勝
2026年世界卓球選手権(団体・ロンドン)女子団体銅メダル

Tリーグ(トップおとめピンポンズ名古屋)

シーズン主な出来事
2018-192019年1月に加入
2021-22背番号9
2022-23引き続き出場

世界ランキングの推移

  • 2017年:自己最高6位
  • 2025年5月:47位
  • 2026年6月:19位

ハン・インのその他の活躍

混合ダブルスでの活躍

2018年のヨーロッパ選手権では、ドイツのルーウェン・フィルス選手と組んだ混合ダブルスで優勝しました。2人ともカットマンという珍しいペアで、ドイツにとっては40年ぶりの混合ダブルスのタイトルでした。

けがからの復帰

2024年に右足のアキレス腱を断裂し、復帰を目指す中で左足のアキレス腱も断裂。パリ五輪の出場はかないませんでした。それでも2025年2月、ポーランドのリーグで実戦に戻ると、復帰後初の国際大会となったヨーロッパTOP16で優勝。41歳でも現状維持ではなく、日々わずかでも成長し続けたいという趣旨のコメントを残しています。

まとめ

  • ハン・イン選手は、1983年生まれ・中国遼寧省出身のドイツ代表。バック表ソフトの右シェークカット
  • 19歳でドイツに渡り、2011年にドイツ国籍を取得。自己最高世界ランキング6位
  • 2016年リオ五輪で女子団体銀メダル。準決勝で福原愛選手に勝利した
  • 用具は松下浩二(VICTAS)+キョウヒョウNEO3+スペクトルS3
  • 両足のアキレス腱断裂から復帰し、43歳の2026年も世界卓球で団体銅メダル

年齢やけがを乗り越え、世界のトップと戦い続けるベテランカットマンです。

この記事を書いた人

チョッピー(Choppy)
カットマン歴15年以上。中学で卓球を始め、高校でカットマンに転向し、大学で練習を重ね、社会人の今もカットマンを続けています。

カットマンに関する情報は限定的で、指導者や知り合いから教えてもらうことがほとんど。暗黙知になりがちなカットマンの情報を共有知に変え、カットマン界を盛り上げたい。カットマン人口を増やしたい。そんな思いでこのサイトを作りました。

運営者チョッピーのプロフィールとサイトについて

参考・出典

※この記事の情報は2026年9月25日時点のものです。

コメント

コメントする

目次