カットマンの粒高ラバー|仕組み・選び方・おすすめを解説

粒高ラバーは、カットマンのバックで最もよく使われているラバーです。自分から回転や変化をつけることは難しいものの、相手の回転を活かした返球ができるラバーです。使いこなすにはコツが要ります。この記事では、粒高ラバーの仕組み、なぜ相手の回転を活かして返せるのか、粒高の歴史と種類、カットとツッツキのコツ、トップ選手の使用例とおすすめの粒高を紹介します。

この記事でわかること

  • 粒高ラバーとは何か、表ソフトとの違い
  • 粒高が相手の回転を活かして返す仕組みと、弱点
  • 粒高の種類とスポンジの厚さの選び方
  • 粒高のカットとツッツキのコツ、おすすめの粒高
目次

粒高ラバーとは

粒高ラバーは、表面に細長い粒が並んだラバーです。表ソフトと同じく粒が外側を向いていますが、粒が高く細いため、ボールが当たると粒が倒れます。この粒の倒れ方が、相手の回転を活かした返球を生みます。

粒高表ソフト裏ソフト
表面細長い粒低く太い粒平ら
回転の出し方相手の回転を利用する自分でもかけられる自分でかける
自分からの変化つけにくい中間最もつけやすい
攻撃難しいしやすいしやすい

カットマンのバックでは、粒高が最も多く使われています。当サイトで調べた選手のうち、バックのラバーが分かっている39人では、23人が粒高でした(2026年11月時点)。

粒高は、自分から回転や変化をつけることは難しいラバーです。その代わり、相手の回転の影響を受けにくく、相手の回転を反転して返せるので、相手の強打やカット打ちを安定してカットしたいときに力を発揮します。弱点は、カットの回転量が、相手のドライブの回転量に依存することです。たとえば、回転のかかったループドライブを打たれると、粒高では下回転のカットでしか返せません。そのため、かえって相手が回転を読みやすくなることがあります。

粒高が相手の回転を活かして返す仕組み

相手の回転を利用して返す

裏ソフトは、表面の摩擦で自分から回転をかけるラバーです。一方、粒高は摩擦が小さく、ボールが当たると粒が倒れ、その粒が元に戻る力でボールを押し返します。そのため、自分でかける回転より、相手のボールの回転がそのまま返球に影響します。

おおまかには、次のような返球になります。

  • 相手のドライブ(上回転)をカットすると:上回転を利用して、下回転のカットになる。相手の上回転が強いほど、切れたカットになりやすい
  • 相手のツッツキ(下回転)を当てて返すと:下回転が残らず、上回転やナックル寄りのボールになる

相手は自分のかけた回転が思わぬ形で返ってくるので、回転を読み違えやすくなります。これが粒高の返球の特徴です。中国の解説記事は、粒の倒れ方と、その反動がボールに伝わる向きで、この返球の仕組みを説明しています。

粒が長いほど、回転が変わる効果が大きい

粒の高さとボールの反発・回転の関係を調べた研究では、粒がボールとの接触で左右非対称に変形し、元に戻るときに回転の向きが変わること、その効果は粒が長いほど大きいことが示されています。

粒高の歴史|張燮林から始まった

粒高ラバーを世界で初めて使って活躍したとされるのが、中国のカットマン、張燮林(Zhang Xielin)さんです。1960年代、工場で捨てられるはずだった裏ソフト用のトップシートを裏返して貼ってみたところ、使いやすいものがあったのが始まりだったそうです。

張燮林さんは、ペンホルダーの片面にスポンジのない粒高の一枚ラバーを貼り、当時の日本の選手が得意としたループドライブを、低く切れたカットで返しました。1961年の世界選手権で男子シングルス3位、1963年・1965年の男子団体優勝に貢献し、粒高のカットマンの原点となりました。

粒高ラバーの種類

変化系と安定系

タイプ特徴例
変化系粒が倒れやすく、相手の回転の影響が返球に大きく出るカールP1V、カールP4V、フェイントロング3
安定系相手の回転の影響はやや控えめで、コントロールしやすいフェイントソフト
テンション系スポンジに反発力を持たせ、攻撃やプッシュもしやすいグラスディーテックス

スポンジの厚さ

粒高は、スポンジの厚さによっても性質が変わります。

厚さ特徴
スポンジなし(OX)相手の回転の影響が最も返球に出やすく、弾まない。ボールを直接粒で受ける
極薄(0.5mm前後)OXに近い性質を残しつつ、少しボールを持てる
薄〜中安定感が増し、ボールを持つ時間が長い。カットやプッシュがしやすい
厚反発が出て、攻撃しやすい。相手の回転の影響は控えめになる

カットマンは、相手の回転を活かすことを重視して極薄やOXを使う選手と、安定を重視して薄めのスポンジを使う選手に分かれます。たとえば厚谷武志選手は、フェイントロング3の超極薄を使っていました。

粒高のカットのコツ

粒高は、返球の回転が相手の回転に左右されるので、ラケットを上に向けて、ボールの「底」を捉えると安定します。無理に力を入れて切ろうとせず、ボールの長さを意識してコントロールします。

裏ソフトのようにこすって回転をかけるのではなく、相手の回転を利用して返すイメージです。相手のドライブが強いほど、自分が力を入れなくても切れたカットになります。

粒高のツッツキのコツ

粒高のツッツキでよくあるミスは、ボールの底を捉えられず、粒がボールに食い込みすぎて回転がかからないことです。

  • ラケットを少し上に向けて、ボールの底をこする感覚で打つ
  • 回転を抑えようとラケットを押さえ込むと、ボールが浮きやすい
  • ラケットを少し前に送り出すと、軌道が安定する

相手の回転を活かしつつ、基本に忠実にボールを捉えることが大切です。粒高のツッツキとプッシュは、ツッツキの記事でも詳しく解説しています。

粒高を使うトップ選手

粒高選手
カールP1V(VICTAS)朱世赫、ソ・ヒョウォン、岡田蒼空、小塩遥菜、姜東秀、瓜生日咲、佐藤瞳
フェイントロング3(バタフライ)谷岡あゆか、厚谷武志、ルーウェン・フィルス、テティアナ・ビレンコ
カールP4V(VICTAS)平塚健友、馬特(Ma Te)
バーティカル20(STIGA)御内健太郎、塩野真人
フェイントロング2(バタフライ)パナギオティス・ギオニス
フェイントソフト(バタフライ)キム・ソンイ
グラスディーテックス(TIBHAR)朴美英
スクリューソフト(ニッタク)金暻娥

※当サイトの選手ページの調査より(2026年9月時点)。

粒高のカットマンは、日本の男子や韓国・ヨーロッパに多く見られます。カールP1Vとフェイントロング3が、トップ選手の二大定番です。

おすすめの粒高ラバー

粒高メーカータイプ価格(税込)卓球ナビ総合
カールP4VカールP4VVICTAS変化系4,620円8.43
カールP1VカールP1VVICTAS変化系4,620円8.00
フェイントソフトフェイントソフトバタフライ安定系2,200円7.80
グラスディーテックスグラスディーテックスTIBHARテンション系6,655円7.69
フェイントロング2フェイントロング2バタフライ変化系2,530円7.50
フェイントロング3フェイントロング3バタフライ変化系2,750円7.40

スマートフォンでは、表を左右にスクロールして見られます。

※価格は各メーカーの公式サイト、卓球ナビ総合は卓球ナビのユーザー評価の平均(10点満点)より(2026年9月時点)。

卓球ナビの総合評価(10点満点)

カールP4V
8.43
カールP1V
8.00
フェイントソフト
7.80
グラスディーテックス
7.69
フェイントロング2
7.50
フェイントロング3
7.40
0510

粒高は、自分で回転をかけにくい分、卓球ナビではスピードやコントロールの点数が低めに出る傾向があります。総合評価の差より、自分が使いたい場面で選ぶのがポイントです。

  • トップ選手の定番から選ぶなら:カールP1Vかフェイントロング3。どちらもトップ選手の使用者が多い粒高です。
  • 相手の回転を大きく活かしたいなら:カールP4V、フェイントロング3。スポンジは極薄やOXを選ぶと、相手の回転の影響がより返球に出ます。
  • 粒高を初めて使うなら:フェイントソフト。変化より安定性を重視した作りで、価格も手ごろです。
  • 粒高でも攻撃したいなら:グラスディーテックス。スポンジに反発力があり、プッシュや攻撃がしやすい粒高です。

フェイントシリーズの違いは、フェイントシリーズのまとめで比べています。

粒高ラバーについてよくある質問

Q. 粒高は初心者でも使えますか?

使えますが、カットの基本を覚える段階では、バックも裏ソフトから始めるのが基本です。粒高は、相手の回転と返球の関係を理解してから使うと、その特徴を生かしやすくなります。

Q. 粒高とアンチラバーはどう違いますか?

粒高は粒の倒れ方で相手の回転を活かして返し、アンチラバーは平らな表面の摩擦を極端に小さくして、相手の回転の影響を受けにくくしたラバーです。詳しくはカットマンのアンチラバーの記事で解説しています。

まとめ

  • 粒高ラバーは、自分から回転や変化をつけることは難しいが、細長い粒が倒れることで、相手の回転を活かした返球ができるラバー
  • 相手の上回転はカットで下回転に、相手の下回転は上回転やナックル寄りに返りやすい
  • 粒高の始まりは、1960年代の中国のカットマン、張燮林
  • 弱点は、カットの回転量が相手のドライブの回転量に依存すること
  • 変化系・安定系・テンション系があり、スポンジの厚さでも性質が変わる
  • カットもツッツキも、ボールの底を捉えるのが基本
  • トップ選手の定番は、カールP1Vとフェイントロング3

粒高は、相手の力を利用して戦うラバーです。自分から回転をかけようとせず、ボールの底を捉える基本を身につけると、相手の回転を活かした返球を武器にできます。

この記事を書いた人

チョッピー(Choppy)
カットマン歴15年以上。中学で卓球を始め、高校でカットマンに転向し、大学で練習を重ね、社会人の今もカットマンを続けています。

カットマンに関する情報は限定的で、指導者や知り合いから教えてもらうことがほとんど。暗黙知になりがちなカットマンの情報を共有知に変え、カットマン界を盛り上げたい。カットマン人口を増やしたい。そんな思いでこのサイトを作りました。

運営者チョッピーのプロフィールとサイトについて

参考・出典

「カットマンのラバー|裏ソフト・表ソフト・粒高の選び方とおすすめ」、「カールシリーズの違いとカットマン向けの選び方|粒高を比較」、「フェイントシリーズの違いとカットマン向けの選び方|粒高を比較」もあわせてご覧ください。

※この記事の情報は2026年9月28日時点のものです。

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